こんにちは、あゆみです!
私は、忙しくてなかなか本を読めない方を対象に、
①どのような本か
②役立ちそうなポイント
③参考になる本(より詳しい本、よりわかりやすい本など)
の3つの視点から様々なジャンルの本を紹介しています。
忙しい方対象のため、5分以内で読める発信を心がけています。
あらかじめご了承ください。
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今回は、『良い戦略、悪い戦略』(リチャード・P・ルメルト著)を紹介します。

戦略って大事だって聞くけれど、そもそも戦略って何?

戦略を作るためには、
ビジョンから導かれたフレームワークでは不十分なの?
本書はそんなお悩みを解決する本となっています。
初めに:著者について
リチャード・P・ルメルトは、1942年、アメリカ・ワシントンD.C.生まれの男性です。
戦略論と経営理論の世界的権威で、それまでの市場支配力をベースにした戦略論を脱し、リソース・ベースト・ビュー(企業の持つ経営資源に競争優位の源泉を求めるアプローチ)を提唱した1人になります。
すなわち、卓越したパフォーマンスを出す企業は、業界に左右されるのではなく、各企業の能力に依存しており、特に「最も効果の上がるところに持てる力を集中投下している企業」であるという考え方ですね。
彼は研究者でありながら、大企業からNGO、教育機関に至るまで幅広い組織にコンサルティングを行い、UCLAアンダーソン・スクール・オブ・マネジメントの教授もしています。
①どんな本か?
『良い戦略、悪い戦略』は、3部18章で構成されています。
1部(1-5章)では、良い戦略、悪い戦略とはどういうものか、また、世の中に良い戦略ではなく悪い戦略が蔓延るのはなぜかを説明している部分です。
アップルや湾岸戦争をはじめ、スーパーマーケット、聖書、国防など多岐にわたる事例をもとに、戦略について分かりやすく解説されています。
また、4章は、フレームワーク(穴埋め式チャート)に頼った戦略がなぜ不十分かの説明が書かれており、現在の会社や自分に当てはめながら読むことができますよ。
2部(6-15章)は、良い戦略の強みの生み出され方と活用の仕方について説明している部分です。
1部で、良い戦略とは、「自らの強みを発見し、賢く活用して、行動の効果を何倍にも高めるアプローチ」と説明されるのですが、そもそも強みはどこから生み出されるのでしょうか。そして、ある時代に強みとなっていた部分も、時代の変化によって強みではなくなることもあることでしょう。
そのため、2部では、「新たな強みの発見」にとどまらず、成熟した企業の「新たな強みの生み出し方」や「良い戦略をし続ける際の困難」について、著書が特に重要と考える9つの項目に絞って説明しています。
最後の3部(16-18章)では、ストラテジスト(戦略家)として、良い戦略を練るために役立つ思考法を紹介しています。
例えば、戦略を練る際には、熟考しても分からなかったことが不意に思い浮かぶことも多いと思います。
そんな時に、思いつきが良い戦略なのか検証する必要性や、周りの意見に流されて自分の判断が正しくできなくなることの危険性について書かれています。
全体を通して見ると、本書は、1部でリソース・ベースト・ビュー(企業の持つ経営資源に競争優位の源泉を求めるアプローチ)に基づいた良い戦略について解説した後、2部で良い戦略を支える強みの生み出し方と活用方法について紹介、3部で良い戦略を生み出すストラテジストとしての思考法をまとめた「良い戦略家になるための1冊」と言えるでしょう。
②役に立ちそうなポイント
本書の役立ちそうなポイントとしては、良い戦略とはどういうものかを簡潔な言葉で理解でき、
悪い戦略についても本書のチェックポイントをもとに排除、改善していくことで、
自然と良い戦略をできるようになっていく点だと考えます。
③参考になる本

「顧客の求めるものを全て満たすことが企業のやることではない」
という点ではこちらの本が参考になります。
少し観点は異なる本ですが、なんでもお客様通りだけではダメなんだ…
ということを納得できる本です。
ジョブズの戦略が劇的な効果を上げたのは、根本的な問題に直接アタックし、そのための行動に集中したからである。…「製品ラインナップが複雑すぎて、…いろいろな需要に応えようとしてモデルが増えすぎていたんだ」
p25
本書では、顧客の要求に全て応えようとするのではなく、自社ならではの価値や強みにフォーカスすることが重要だと説明しています。
同じような本で、より読みやすく簡単な本をお探しの方はこちらをお勧めします。
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集中するってことは、やることだけに目が行きがちですが、
本当はやらないことを決めることも大事なのです。
多くの組織が的を絞った戦略を立てようとしない。あれもこれもと欲張りないリストを作成する一方で、リソースを集中投下して組織本来の強みを発揮する必要性に目をつぶっている。…「何をするか」と同じくらい「何をしないか」が重要なのである。
p34
目標達成ができないのは、怠惰なのではなく、むしろ何をしないかを決めていないから。
やるべきことにリソースを割けるように「やらないことを決める」重要性に関しては、こちらの本でも共通していいます。
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トヨタのカンバン方式ってすごいんだなあと思った場面。
ザ・ゴールも全体的に良くするという点では共通していますね。
ウォルマートでは、…一体的なロジティクス、ジャスト・イン・タイムの在庫補充、大型店と少量在庫といったことが相互補完的に作用し、全体として一つの整然としたシステムを形成していること…ライバル社は、ウォルマートの卓越したロジスティクス・システムをそっくり真似するべきだったと言える。
p41
ウォルマートは、ベストプラクティス(最善の方法)の寄せ集めではなく、一体的なシステムであることが強い、と書かれている部分です。
いや、ちょっと待てよ…。
これ、日本で言ったら「トヨタ」ではないでしょうか?
日本のトヨタがなぜ世界でも強いのか、トヨタにはどのような全体として効率的な仕組みが取り入れられているのか知りたい方はこちらの本はいかがですか?
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ザ・ゴールは長めの物語ですが、ベストプラクティスを個々に求めすぎてはいけないことが分かります。
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最後に:私の感想
読み始める前に注意しておきたいのが、本書は大変内容が濃く、重い本だということです。
イメージとしては、20ページ読んだら一息つきたくなる、少なくとも2日に分けて読みたい、という本になります。
また、MBA(Master of Business Administration/経営学修士・経営管理修士)の方にこの本の感想を聞いたところ、「読んでいてかなりエネルギーが必要で、1日では読みきれず、何日にも分けて読んだ」と話していました。
ただ、これだけ読むのが大変な分、経営者の方も「必読書」と話す戦略の定番本のようです。
戦略について分かりやすく書きながら、無駄な部分の見当たらない400ページの本となります。
アメリカ出身の著者のため、米国企業や組織が事例となっている点が、日本人の私たちには理解しづらい部分もあります。しかし、スターバックスやトヨタなど日本人にも馴染みのある企業が何社も出てくるため、完全に日本人は読むことが難しいわけではなく、むしろ読みやすい本とも言えると思います。
まとめ
結果を出す「良い戦略」を選択、実行できるようになる最適な1冊です。
個人レベルから組織レベルまで、また、営利組織から非営利組織まであらゆる場面で使うことができる本となっています。
読むのは少し大変かもしれませんが、実りある読書をしたい、良い戦略について知りたい、という方はぜひ読んでみてくださいね!
それではまたお会いしましょう^^
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